母からたまにレシート(お気持ち表明ド長文LINE)が送られてくる。
これまで私はレシートを既読無視していた。戦ってどうこうなる相手じゃない、と26年かけて学んできたためだ。頭がおかしい人間を相手にしていると私の頭までおかしくなる(※躁鬱実績解除済み)ので、見なかったことにするのがいちばんの解決法だった。
しかし今回男という人質を取られた私は「見なかったことにするのがいちばんの解決法」という賢いやり方をすっかり忘れ、真っ向から反論してしまった。今思えば愚かであった。
結果私は母からの一応の謝罪と不正出血という戦果を得られた。
以下、戦いの記録である。
◾︎母からのレシート1
8月2日、日曜日は私の誕生日会をするから(実家)に来てほしい。
(男)くんも一緒でもいいから夕方にきて夜ごはんを食べてから帰るのか、泊まるのか、
わからないけどそうしてね。
よろしくお願いします。
(私)さんだけでもいいよ。
2人で住むから今後は会わないとか誕生日会に参加しないとかはありえません。
父の日、母の日、それぞれの誕生日、お盆、年末年始とかはちゃんと顔を見せにきてください。
これからも参加してください。
無理と言うなら(男)くんに私からお願いしますとラインします。
おじいちゃんと(猫)が元気のうちは1ヶ月に2回は(実家)に泊まりに来てほしい。
じーちゃんもばーちゃんも長生きしてほしい。
90歳までは元気でいさせてください。
そのためにも(私)さんの協力が必要なの。
(猫)のこともちゃんとしてほしいよろしくお願いします。
◾︎私のレシート
おじいさんとおばあさんに長生きしてほしい点は同意しますが、(母)さんの姿勢は過干渉なのではないかと感じています。
良い機会なので書きますが、私に何かさせようとするとき「(男)さんに連絡する」とよく言いますね。
脅しのように感じますし、圧力としか思えないので非常に不愉快です。
はっきり言って協力したいという気が失せます。今後(男)さんと(母)家を関わらせたくないと感じる大きな要因です。本来同棲後の生活について決定権があるのは私と(男)さんではないでしょうか?
未成年ならまだしも経済的にも自立した成人に対して、どのような立場でそこまで物事を決めているのか理解ができません。
私たちにも仕事の都合や家事の都合があります。会わないと言っている訳ではありません。
(猫)は私の猫ですし、世話の責任があることは理解しているつもりです。祖父母に長生きしてほしいことも全面的に同意します。
しかし一方的に帰省回数を定められ、予定を合わせろと言われることは県外で生活する社会人にとって大きな負担になることを想像してほしいです。
頻度や日程については私と(男)さんで相談した上都度決めさせてください。
レシート1が送られてきたのは木曜深夜1時であった。そろそろ寝ようかと思っていた矢先目に入った「無理というなら(男)くんに連絡します」という文字は眠気覚ましにぴったりで、私は目をパキパキにしながら瞬間的に湧き上がった怒りのままに初めてレシートを作成した。来週18日に同棲開始予定なので、それまでに面倒事を片付けたいという焦りもあった気がする。深夜2時半にレシートを叩きつけた後、得られたのは「遂に言ってやった」という満足感であった。脳のおかしな部分が刺激されてまったく寝られず、脅威の睡眠時間2時間で労働に向かうことになった。
そして午前10時半。レシートは倍の量になって返ってきた。
◾︎母のレシート2
脅しとか圧をかけてるわけではありません。
(私)さんから言いにくいから私からお願いしてみようかなと言ってるだけです。
私は、(男)さんがどんな人間なのか知らないし実家に帰っていいよという人なのか家にいろという人間なのかわかりません。
(私)さんが言ったからって何ていう返事がくるのかもしらないし
あなたが言いにくいなら私からお願いするよと言ってるだけ先に会う日にちを決めたほうがそっちも動きやすいからそう言ってるだけです。
今回はこの日とこの日に帰ります。
とかあと、あなた達に決定権があるのはわかるけど親の気持ちはこうなんです。というのをわかってほしいだけ
こう思ってるよと言うのを伝えるのがなぜいけないの?
こうしろと命令してるわけじゃない
結婚とか同棲は家族の繋がりなの
絶対に2人だけで生活していくとか横の繋がりをなくすとか無理だよ。
もっと会う機会が増えるし家族の行事ごとで会うことが多くなるよ。
向こうの親と私達とみんなで会うとかそう言うのが増えていくの
あなた達をみていると2人でやっていくからほかっといてという感じだけどそうじゃない
社会人になろうが子供は子供だよ。
一生、私の子供だよ。
私の気持ちを伝えるのがなぜ悪い
社会人になったからってなぜ遠慮しないといけないの?
伝えるのは自由でしょ
私の子供だから親の気持ちを伝えているだけ。
そのように動いてとは言っておりません。
どうかな?と聞いてるだけ
(男)さんは(私)さんに帰る頻度は合わせますと言ってたよ。
だから(私)さんに決定権があるんでしょ?
だから言ってるんだよ。
8月2日の日曜日はきてくれるの?
ここで言い合いをしてても仕方ないので(男)さんにラインしました。
よろしくお願いします。
「すぐ男にLINEしようとするのはやめろ」と言った矢先に「LINEしました」と事後報告があってひっくり返りそうになった。私の文章が悪かったのだろうか、と何度も読み返した。もしかしたら不愉快という言葉が難しくて伝わらなかったのかもしれない。
工事の立ち会いを終えた私は急いで母に電話した。出なかった。次の仕事があるので移動がてら文句だけは入れる。
◾︎私からのレシート2
なぜ私たちの問題にすぐ(男)さんを巻き込もうとするんですか?
事前相談もなしにそういうことをされると本格的に関わりを持ちたくなくなります。
母から送られてきた「一生、私の子供だよ。」という文字が呪いとしか思えずいよいよ気分が悪くなってきていた。男に対して「母からLINEが行ったようだが無視しろ」と連絡。頭がおかしくなる! と思ったので祖母に電話した。あなたの娘は頭がおかしい! 助けて! と泣きつくと「言っておくわ」とのこと。
◾︎母からのレシート3
私たちの問題?
あなたと(男)さんの2人の問題でしょ
2人が決めることでしょ
帰る頻度はどれくらいと聞いてあとは2回ほど帰るかを聞いただけ
だよ。
そんなに怒らないで
脅しても強制もしてないから安心して
そんなにしたらダメだったの?
私にはわからん
でもダメだったのならごめんなさい
もうしないです。
いろいろ言ってごめんね。
反省してます。
母から謝罪がきた。確実に祖母の力が働いている。
帰宅後祖母に「母と話せたか」と聞くと「電話しようとしたら『いやです』って言われた」とのこと。いやですとは何!? 結局LINEでのやり取りで、「まだ同棲もしてないのに男にそんなことを言って別れさせたいのか」と言ってくれたらしい。
それに対してぶつくさ文句が並べられた後、「一応」謝っておく、という旨の返信が祖母に来ていた。一応、に対しての私のピキり方はエグかった。
◾︎私からのレシート3
夫婦揃って同棲を止めさせたいのですか?
であればまだ行動に理解ができます
もう疲れました
2日は帰りません
入居直後の土日は色々やることがあります
「夫婦揃って」というのは、以前母の再婚相手が男に対してド長文お気持ちLINEを送っているためだ。その時は母も一緒になって「まだ付き合ってるだけなのにお気持ち表明LINEはヤバい」と言っていたのに、何を自分だけ例外みたいな顔をしとるんじゃという話である。
18日に同棲開始予定なのだが、24、25は母主催家族旅行に連行されるため家を空けることになる。実質的に8月2日は同棲後2回目の土日というわけで、生活基盤を整えるための貴重な時間なのだった。
謝られたところで男には既にLINEが送られてしまっている。まだ同棲してもいない彼女の母親に月2の帰省をしろと言われ困り果てているに違いない。再びガチめに体調が悪くなってきた私は家とコンビニを往復し煙草ばかり消費していた。
翌日有給を取って男と高山に行く予定だった。同棲前最後の旅行ということで楽しみにしていたのだが、気分的にはそれどころではない。煙草を吸いすぎて目もパキパキ。眠れない。
なんとか朝の電車に乗って高山に向かった。
行きの電車で「母が申し訳ない」と言うと、やはり男は返信に困っていた模様。レシートを確認させてもらった。
◾︎男に送られたレシート
こんにちは
暑い日が続いていますね。
体調とかは崩されてませんか?
今日はお願いがあってラインしました。
同棲後の話なんですが私の両親が(私)が出ていってしまうのをとても寂しがっています。
赤ちゃんの時から育てて面倒みてくれていたので会えなくなるのを寂しい、寂しいと言っております。
そこでお願いなんですが今後、月に2回ほど帰省してもらえないでしょうか?
その時にできれば泊まっていってほしいです。
猫の(猫)のことも高齢のため猫のお世話もやることができません。
ご飯はあげることができてもシャンプー、爪切りができません。
仕事のこと、家庭の生活のこともあるので大変かもしれませんがぜひご検討ください。
先日、(男の母)ちゃんとモゾに行き買い物&ラン手してきました。
楽しかったです(えもじの子(仮))
もうすぐ梅雨明けですね☀️
お体に気をつけてお過ごしください。
なんと祖父母のせいにしている。祖父母からは「生活が落ち着くまでは帰ってこなくて良い」と言われているのでびっくりした。男が返信した方が良いよねこれ、と言うので「無視しろ!」と再度繰り返した。男に送られているLINEを祖母に展開、「これはじいさんとばあちゃんの意見が入ってない考えだからね😊」の返信を証拠として見せる。そうこうしている間に景色は山と川、壮大な自然に変わっていた。返信するかどうかも含め一旦現実は忘れよう、ということになった。高山に到着し、レンタカーを借りて富山のグランピング施設に向かう。
都会の喧騒から遠く離れたキャンプ場は平日だからかほぼ貸切で、現実を忘れるには素晴らしい場所だった。雨女雨男には珍しく天気は晴れで、夜は満点の星空を眺めることもできた。
翌日は高山に戻って、駅周辺の古い町並みをうろついた。あっという間に帰る時間になって、私はだんだん現実が、すなわち壮大な自然に代わって壮大な鬱が近づきつつあることを悟っていた。 まだ同棲が始まってもいないのに色々なことが起きすぎている。こわい!
男は母に返信をするらしい。無視すれば良いのに。律儀なやつである。これからこの狂った家に男も巻き込むのかと思うと怖すぎて息ができなくなった。かひゅうになるのは嫌だ……と思いながらのろのろと電車に乗りこみ、男に送られて帰宅した。精神の調子が悪すぎるのでコンビニに向かい、煙草を吸って酒を飲んだ。ストレスのあまり不正出血していた。おれは!!!!弱いっ!!!!